浮気調査の探偵が逆に訴えられることがあるのでしょうか?

浮気調査を依頼した探偵さんが逆に訴えられることがあるのでしょうか?

私は既婚者です。
配偶者のある男性と交際していましたが、、相手の奥様が私立探偵を雇って、私たちのデート中の写真を撮られました。手をつないで歩いているところや微笑み合っている写真があります。幸いホテルに出入りする写真はありませんでした。

 

奥様は探偵に頼んで写した写真を、浮気の証拠として私に損害賠償を請求すると連絡して来ました。突然のことで一体どうしたらいいのか分らないのですが、個人のプライベートを尾行したり、本人に無断で写真を撮るのは、プライバシーの侵害に当たると思うのですが、、そのような行為は、法律的に問題が無いのでしょうか?

 

【探偵さんの浮気調査はプライバシーの侵害にならないの?】

 

私たちが、どこでどんな生活をしているか、どのような家族構成で、誰と、どのように暮らしているか、どんな会社に勤務して、どんな役職で、出勤時間、退社時刻、退社後どんなことをしているのか、何時ごろ帰宅しているのか・・・このような内容は、個人的な情報になるので、他の人たちに知られたくないのは当然です。このようなことはプライバシーとして保護される内容です。(憲法13条による)

 

家の外での行動は、どうしても人に見聞きされてしまうのは防ぐことはできません。もちろん知られたくはないのですが、居住区意外での行動や、話した内容は知られることを承知の上でなされていると考えられています。当然あなたも家の外では誰かに見られていたり、話を聞かれている可能性があります。居住区以外での私たちの行動は、一定の程度でプライバシー権の放棄があったものと考えられます。したがって、家の内部と同じレベルでプライバシーの保障が守られるとは考えられないのです。

 

たとえ住居の外部での行動であっても、通常の人達が正当な理由がないのに尾行したり、勝手に写真を撮ったりすることは許されません。そのような行為はプライバシー権の侵害になります。ただ、『正当な理由』がある場合には、そのような行為も違法性がないと判断されます。つまり、正しいこととして認められることになります。今回の場合は『正当な理由がある場合』とみなされますね。

 

あなた自身と、あなたが交際している人は既婚者という事が分っているのですから、配偶者に対し貞操を守る義務があるのです。(民法770条1項1号参照。)そして、法律上不貞行為は離婚原因として認められます。

 

配偶者に対して貞操を守る…

 

この義務に違反した場合は、刑事上で罰せられることは無いのですが、夫婦関係での侵害行為(貞操権に対する侵害)とみなされ、民事上の不法行為責任(民法709条)を問われます。

 

配偶者やその交際相手の不貞行為をつきとめ、その証拠として写真を撮ることは、ご主人(奥様)として正当な理由に当たります。探偵事務所や興信所等によって浮気調査、尾行、撮影などがなされた場合は、正当業務行為として認められます。その場合は違法が阻却されルト考えていいでしょう。

 

※阻却→違法と推定される行為を、特別の事情がある場合に違法性が無いとすること。正当防衛、緊急避難、法令による行為など。

 

今回の女性の相談の場合は、『既婚者と交際している』という事実がある為、探偵さんを使っての浮気調査(尾行や、撮影)はプライバシーを侵害する行為とはみなされません。相手方の奥様に告訴された場合どうなるのか…弁護士さんに相談することをお勧めします。

 

 

目次

 

1. 探偵さんの尾行や張り込みなどの調査は訴えられない。

 

2. 探偵を訴えることができる場合

 

3.プライバシーの侵害で探偵さんを訴えることが出来るのか?

 

探偵さんの尾行や張り込みなどの調査は訴えられない!?法律で認められているからです。

【探偵さんって一体何なのでしょうか?】

 

探偵さんの仕事内容って一体どんな事をしているのでしょうか?

 

通常、私たちが探偵さんとお付き合いする機会は殆どないとおもいます。漫画、テレビアニメ、映画、小説、このような世界の中でしか会うことができませんよね。お友達が探偵業…なんていう方は別ですが、とにかく普段の生活の中ではあまり出会うことが無いと思います。

 

ですから、探偵さんが一体どんなお仕事をしているのか?ということもあまり知らないと思います。

 

探偵さんの仕事は、主に『調査』です。

 

内容は、不倫、浮気調査、素行調査、いじめ調査、盗聴調査などです。その調査の殆どは、尾行、聞き込み、撮影など、捜査対象者に関するあらゆる情報を集めることになります。

 

探偵さんは私たちにばれない様に、秘密で調査をおこないます。それは当然のことですよね。しかし、探偵さんに尾行されて、動画や写真をとられたりした場合、プライバシーの侵害だ!とか、探偵さんを訴えることはできるのかなって考えたことがありませんか?

 

この答えは…訴えることが出来ない!です。

 

通常であれば、探偵さんの調査を訴えることは非常に難しいと思われます。その理由は。。。探偵さんは、法律に基づいて行動しているからなのです。

 

探偵さんは「探偵業法」という法律に基づいて行動しています。

 

探偵業法では、尾行、張り込みなどの行為が公的に許されているのです。そのため探偵に待ち伏せされたとか、あとをつけられたり、聞き込み調査されたからといって、訴えるのは難しいのです。尾行も、張り込みも探偵さんが人を調査する行為は法律で決められているんです。

 

探偵さんは探偵業法という法律に基づいて行動しています。『探偵業法』には、探偵さんのお仕事で、法律上許可されている行動、許可されない行動、探偵さんのお仕事(調査の為におこなうこと)で許される範囲が定められています。簡単に言えば、やってよいことと、やってはいけないこと、そして探偵さんがやるべきことが決められているのです。

 

ようするに、探偵さんのお仕事は、探偵業法において定められています。

 

例えば探偵業法の中の文面を見てみます。(探偵業法2条)

 

『この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。』

 

探偵さんは、浮気調査の依頼者から依頼を受けた場合、その特定の人(調査対象者)の住所や、行動を、聞き込みや、尾行、張り込み、面接、その他の方法によって実施調査する事ができ、また、その結果を依頼者に報告する業務として、正式に法律で認められています。

 

その為、例えばあなたが浮気しているところや、不倫相手と一緒にいるところを探偵に尾行されたり、決定的瞬間の証拠写真をとられても、それは違法行為とはみなされません。訴えたとしても、プライバシーの侵害として訴えるのは難しいのです。

 

【探偵さんは調査のプロフェッショナルということを忘れないで下さい。】

 

探偵さんは、警察が介入しないような、様々な調査を専門に職業としているプロフェッショナルなのです。浮気調査をするときにも、探偵業法に触れないように、法律をしっかりと頭に入れて、法律に抵触しない方法で相手を調べていきます。しっかりとした探偵事務所なら、優秀な探偵さんを育てるために、そのようなことも何らかの方法で教育の一環として教えて行きます。それは体に染み付いてゆきます。法律事務所が運営している探偵事務所があることを考えると、なんとなく納得できますね。

 

探偵さんが行動するたびに法律に触れていたら、悪徳探偵事務所なんて評判が広がって、営業を続けられなくなります。 探偵さんはあらゆる場面で法律に違反しない行動を意識しています。それは、探偵さん自身の自衛の為でも在ります。調査業のプロフェッショナルである探偵はミスをして訴えられることはほとんどないのです。

 

あなたがもし不倫相手といっしょにいる際に、尾行されていると感じたら、どうしたらいいでしょうか?

 

【問題】不倫相手と歩いているときに、探偵さんに尾行されていると感じたら、あなたが取るべき行動は一体どんなものでしょうか?次ぎの3つの中から正解を選んでください。

 

1)尾行をしている探偵さんに面と向かってプライバシーの侵害だ!と言って、名前や、事務署名を聞き出し名刺をもらう。

 

2)何とか秘密にしてくれと言って、逆に今の調査費用の倍の値段を出して、探偵さんを買収する。

 

3)何とか振り切って逃げる。とにかく走る。浮気相手とバラバラに走り抜ける。

 

 

このサイトを読んでくださっている皆さんなら、もうお分かりですよね。。。^^
探偵さんに尾行されていると思ったら、とにかく逃げる、逃げる、逃げる。。。これしか方法はありません。しかしこの方法は、あくまでもホテルに入る前の段階で効力があります。ホテルに入った後は、しっかりと証拠写真をとられていますので、腹を決めてあきらめて下さい。あなたが、探偵さんを訴えることは出来ませんし、探偵さんの作成する報告書には、しっかりとあなた方の行動が記録されているはずです。

探偵さんを訴えることができる場合…

【あなたが探偵さんを訴えられる場合】

 

浮気や不倫をしているあなたが、開き直って探偵さんを訴えられるケースが幾つか存在します。

 

しかし、通常の場合探偵さんが訴えられることはありません。この場合は、依頼者が、悪徳探偵さんに捕まってしまった場合に発生するようなイレギュラーな場合です。探偵さんにも、良い探偵さんと、悪い探偵さんがいることを覚えておいてください。

 

 

探偵さんが探偵業の届出をしていない場合

探偵さんが『探偵』として探偵事務所を運営するためには、探偵業の許可を取得する必要があります。しかし、探偵と名乗る人たちの中には、探偵業の許可を取得していない非正規の悪徳探偵もたくさん存在しています。

 

 

【探偵を職業とするためには、公安委員会へ届け出なければなりません。】

 

探偵は人のプライベートに踏み込む特殊な職業です。その為、探偵事務所を営むには、管轄の警察署に届出を行ない、厳密な審査のうえ、公安委員会から探偵業届出番号の交付を受けなければ、正式に運営できないのです。

 

探偵業届出番号の交付を受けずに、調査依頼を受けて、調査対象者を撮影したり、尾行したり、張り込みした場合は、探偵としての許可を得ていない為に、違法とみなされます。

 

また、届出を出さずに、(無許可で)探偵さんとして調査をおこなってしまうと、それがばれた時には、6ヶ月以下の懲役か、30万円以下の罰金を課されます。これは探偵業法18条に基づく規則です

 

探偵さんというと、テレビなどで見ると、自由に出来そうなお仕事だと勘違いしてしまいますが、実は国から認めたれた組織又は認められた人物だけが探偵さんとしてのお仕事が出来るのだと言えます。

 

【探偵さんが正式に探偵業届出をしているか、どのように確認しますか?】
探偵さんが、正しく探偵業届けを出しているのかは一体どの様に確認したらいいのでしょうか?

 

一番簡単な方法は、探偵さんの探偵事務所の所在地がわかるのであれば、訪問して探偵業届出番号を確認してみましょう。(わざわざ訪問する勇気があるかどうかは別として…)探偵事務所には証明書が掲示されているはずです。探偵業法にも、証明書は依頼者の見やすい場所に設置することが義務づけられている為、もし事務所に証明書が飾られていなければ、それは怪しい探偵事務所かもしれません。

 

また、最近はインターネット上でホームぺージを見ると必ず探偵業届出番号』が掲載されています。これは探偵のイメージをクリーンにしようとする探偵事務所側の努力でもありますので、多くの場合会社概要ページにしっかりと画像が掲載されています。

 

 

探偵業届出をしていない探偵事務所や、素人である個人が、勝手に探偵を名乗り、違法に調査をしている場合、こんなイレギュラーな場合に、不倫・浮気をしている側が、調査してきた探偵を訴えることが出来ます。不審に思った場合は探偵業の届出を出しているか確認すると良いでしょう。ただし、悪徳探偵さんの場合も違法操業がばれてしまうと大変なので、そうそう尻尾をつかませてくれないと思いますけど…、

 

 

探偵調査があまりにも強引だったり、違法なことをされた場合

 

探偵がさんは法律を守って調査をおこなっていると言っても、時と場合によっては過剰で過激な調査をする事がないとは言えません。あまりにも強引な調査が行われた場合には、探偵さんも訴えられてしまう可能性があります。その場合は民事・刑事ともに訴訟の対象に成り得ます。

 

探偵さんにプライバシーを侵害されたかな?と感じたとき。探偵はあくまで探偵業法という法律にのっとって様々な調査をおこないますが、場合によってはプライバシーの侵害となる行為が発生することがあります。その場合は訴訟の対象となります。

 

【プライバシーの侵害は損害賠償請求の対象となります。(民法709条により)】

 

例えば、なんとしても証拠をとるために、ストーカーのように個人を尾行し続けたり、嫌がる対象者を毎日会社まで強引に尾行し続けたり、私生活のあらゆる場面を強引に撮影して、その情報を第三者に公開したり、ネット上にばら撒いたり…このような例は稀であると思いますが、あまりにも行き過ぎた調査行為は損害賠償の対象となります。

 

また、探偵さんが調査業務で知り得た情報を、一般に公開すれば、個人情報保護法に違反になり、また、プライバシー権の侵害にもなります。探偵さんの中には、調査後は速やかに調査資料を処分してプライバシーの漏洩に注意する旨を公表している場合もあります。プライバシーはそのくらい重要なものです。

 

探偵業届出をおこなっていない悪徳探偵や、素人がおこなっている探偵事務所では探偵業法を知らずに運営して、プライバシーの侵害についても、その法律を把握せずに調査を行っている場合が多々あるので、その場合は逆に訴える事ができますね。

 

【名誉毀損というもの】

 

名誉毀損は知っていますよね。

 

■名誉毀損とは、読んで字の如く、他人の名誉を傷つける行為のことです。

 

探偵さんが調査対象者の浮気相手を調べて浮気の事実を職場の人や身近な人に知らせてばらしてしまった場合などは、名誉棄損に該当するかもしれません。

 

探偵さんが、浮気調査で得た情報を第三者に知らせてしまうと、名誉を傷付ける行為になりかねません。これは名誉毀損(刑法230条1項)に当たります。刑法230条に該当するため、刑事責任を負う可能性があり、また、民法709条の不法行為として民事責任を負う場合もあります。
しかし、実際には、第三者に周知させた、とか、一般に公開したという事実を証明しなければならないため、訴訟するのは非常に難しいです。証明するのは難しいのですが、法に触れる行為ですので、そんなことが発生したら、法律に詳しい弁護士に相談すると良いでしょう。

 

 

【住居に侵入という行為について】
通常探偵が調査対象者の住居などに侵入することはありません。
もしも探偵さんが、浮気調査で相手の住居、相手の資産や個人情報を調べたいなどの理由から、調査対象者や、その浮気相手の家に忍び込んでしまうと、住居侵入罪が適用されます。(刑法130条)住居侵入となれば、れっきとした犯罪になり、この場合は探偵に刑事責任を負義務が発生します。

 

探偵さんが住居侵入する理由は音声収録や位置情報を検索する際の機材を設置ですが、通常はわざわざ危険を冒して盗聴器を仕掛けるような真似はしません。プロの探偵が法に触れる方法で、調査をおこなうことは考えられません。そして、実は盗聴とはそれ自体が犯罪になるわけではありません。「盗聴罪」というのは存在しないのです。しかし探偵さんが盗聴した内容を第三者に漏らした場合は 。盗聴器や、それらの機材を設置するために住居に侵入した事が罪に問われます。

 

盗聴器を仕掛ける場合に、電話回線上に盗聴器を仕掛ると、有線電気通信法9条に違反します。また、携帯電話に盗聴器を仕掛けて第三者にその内容を公開してしまった場合には電波法59条という法律に違反することになります。

 

しかし浮気調査の盗聴と言うと、通常は夫婦間でおこなわれることが多いようで、実際にはICレコーダーが使用されることが多いです。この場合は居住侵入の必要はないので、問題はありませんね。探偵さんがICレコーダーを使用することを、調査依頼者にアドバイスすることもありえます。

 

プライバシーの侵害で探偵さんを訴える事ができるか?の結論

 

【プライバシーの侵害で探偵さんを訴えることが出来るか?の結論】

 

探偵は調査にかかる法律をきちんと意識した上で調べています。

 

■探偵は『探偵業法』という法律によって認められています。

 

■探偵業法により、特定人=調査対象者に限って尾行、張り込み、面接による調査を認められている。

 

■通常は尾行、張り込み、面接されたと言っても訴えることはできない。

 

■探偵業の届出をおこなっていない探偵は訴えることが可能

 

■探偵業届出番号があるか確認する

 

■居住侵入、電話回線上に盗聴器を仕掛ける、携帯電話に盗聴器を仕掛けて第三者に公開するなど行き過ぎた調査は訴えることが出来る可能性がある。

 

■探偵業届出をしていない探偵社、探偵業届出をして証明書を持っていても行き過ぎた調査は訴えられる。弁護士に相談すべき。

 

■弁護士に相談すること。必用な証拠、損害賠償がどのくらい取れるか、裁判で勝てるかなど。。。

 

 

今回の記事は、浮気調査をされた側の立場に立って考ええてみました。浮気調査をされた側は多分、写真をとられたり、浮気の報告書を作成されたりで、本当に驚くと思います。でも浮気をされている人の気持ちも考えてみて下さい。

 

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浮気調査の値段はおいくら?

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